TIPモデル®︎トレーニングの目標
①共感を起こす力を育む
なぜ、心理療法は効果をもつのでしょうか。技法でしょうか。理論でしょうか。近年の研究が一貫して示しているのは、変化を支えるのは関係性であるという事実です。
TIPモデル®︎は、この関係性の力を【共感】という現象から再構造化したモデルです。共感を感覚や態度ではなく、再現できる現象として扱います。
TIPモデル®︎トレーニングは、今足りていないスキルや能力を身につけるものではありません。誰もが本来もっている他者とつながる力を、構造として理解し、再現可能な実践力を身につけます。これがTIPモデル®︎トレーニングの1つの目標です。
②臨床観の転換を起こす
TIPモデル®︎は、技法中心の立場をとりません。私たちが扱うのは、自動模倣や、シンクロニー、そして共感という、どんな人と人との関係の中に必ず起きる現象です。
TIPモデル®︎トレーニングは、単なるスキル向上のトレーニングではありません。「何を言うか・何をするか」から「どのような状態が整っているか」という視点で臨床を捉え、それに応じた関わりをする学びです。この臨床観の転換を起こすこと、それがTIPモデル®︎トレーニングのもう1つの目標です。
TIPモデル®︎トレーニングの概要

TIPモデル®︎トレーニングは「共感を通じて相手の状態を整えること」を学ぶ1.5ヶ月のトレーニングです。
オンライン事前学習(2週間)、Live研修(2日間)、そしてグループ・コンサルテーション(4週間)を通して、学びを実践レベルへと高めます。
全ての学習過程において、頭で学ぶよりも、心と体を使って学ぶ、臨床に直結した体験学習を重視しています。そのため、トレーニング後は、すぐに活用していき、また「使い続ける」ことが可能となります。
熱が冷めると使わなくなるのではなく「使い続ける」ために、TIPモデル®︎関連の勉強会や追加のトレーニングには無料で参加できます。単発の学びではなく、継続的に学び合う実践共同体として深めていきます。
事前学習
事前学習は、Live研修以降の学びに必要な基盤を作るための学習です。ここでは、知識の基盤ではなく、考え方の基盤を作り上げます。そのために、考え方に関するテキストと動画に触れていただきます。これらは3つのモジュール(単位)に分けられており、それぞれの学習時間は30分程度です。
- モジュール1:セラピーにおける「安心・安全感」
- モジュール2:共感が生まれる時
- モジュール3:セラピーが「効く状態」
Live研修
TIPモデル®︎を始めて、体験するのがLive研修です。2日間のLive研修では、次のような取り組みを通じて、実際に起きている現象を観察し、言語化し、再構築します。
- 開発者Taka博士によるTIPモデル®︎のLiveデモンストレーション
- TIPモデル®︎を用いた短時間模擬カウンセリング実習
- 実習体験のディスカッション(デブリーフィング)
- 模擬カウンセリングとディスカッションを含むグループ・コンサルテーション
グループ・コンサルテーション
グループ・コンサルテーション(Gコンサル)は、TIPモデル®︎の体験型トレーニングを特徴づける学びです。4週間に渡り、毎週1回模擬カウンセリングを実施し、毎週1回グループで集まって、模擬カウンセリングでの体験について共有して話し合います。
- 受講者同士で毎週1回模擬カウンセリングを実施し合う
- 模擬カウンセリングに対する講師からのフィードバック
- 毎週1回グループで、模擬カウンセリングの体験の共有とディスカッション
これらの活動を通じて、受動的な学びからは得られない、多面的な理解と理解の応用力が備わり、学んだ内容をすぐに実践で有効に活用していくことが期待されます。体験型トレーニングについても、過去の受講者の皆さんからたくさんの声を頂いています。一部だけここでご紹介します。
- 一貫したフィードバックがトレーナからから直接もらえた(医師)
- 模擬カウンセリングのトレーナーによるフィードバックが、カウンセリング中の介入ポイントを学べる良い機会となった(心理師/士)
- 実践とフィードバック、及びグループコンサルもあり学びの視点が多く共有できたことがより多くの学びにつながったと感じる(保健師)
- 自分のセッションに毎回のコメントをもらえるのはとても参考になると同時に励みになった(心理師/士)
- あっという間の研修期間だった。楽しかった。終わった後の喪失感のある研修は初めてだった(保健師)
- 他の人のセッションを見ることで、客観的に自身のセッションを振り返ることにつながった(医師)
- グループ・コンサルテーションを行うことで、TIPモデルへの理解が深まったと思う。他者のものや、自分のものをみることで、他者への気づきが自分の気づきになることが多かったように思う(保健師)
- グループ・コンサルテーションでは、良い例、課題のある例に触れられて経験値として活きると感じた(心理師/士)
- オンラインであっても仲間意識が深まると思えた。グループの仲間は同級生であり、そのつながりを大切にしていくと全国規模で深いつながりができるのではないかと思えた。 他人の事例をみることで、この部分はまねてみようなど他人から学ぶことができた(保健師)
TIPモデル®︎トレーニングの効果
2023年に実施された効果研究では、受講者のセッション中の共感行動が、客観的指標において有意に増加しました(Suzuki, Tomlin, & Bredecka, レビュー中)。また、自動模倣、心拍、脳波などの解析から、高い再現力が期待できるTIPモデル®︎の構造が明らかになりつつあります。TIPモデル®︎は、体験的でありながら、経験主義にはとどまりません。理論と検証の両立を目指します。
また主観的な体験でも、トレーニングの恩恵がはっきりと感じられる声が受講生から多く聞かれます。以下一部ですがご紹介します。
- 相手に関心を寄せることの効果ってすごい、と驚く機会になった(医師)
- トレーナーからのフィードバックを受けて、起きていることへの観察力が高まったように感じた(医師)
- トレーニングを受けて、自分の考えをいきなり提示する(頭ごなしにする)ことは減った(保健師)
- プライベートでも対人関係のあらゆる場面において共感は重要で役に立つものだという視点が得られた(心理師/士)
- プライベートでも共感をしたいときはTIPモデルを使おうと思う(保健師)
- 初対面のひととも話しやすさが増した気がする(心理師/士)
- トレーニングを受けて、相手の話を聞くことが楽にできるようにになった(保健師)
- トレーニングを受けて結構人見知りをするが、怖いと思わなくなった(心理師/士)
- 傾聴力と返答スキルが鍛えられた。普段の臨床や、(身の回りの人との)会話にも、いい影響があったと思う(保健師)




