TIPモデルは2023年に米国のカウンセラー認定団体機関(NBCC)で初めて紹介された臨床共感モデルです。共感と生理学的シンクロニーの実証から生まれた、治療関係をサポートし、治療関係の効果を引き出す新しい方法です。
TIPモデルの特徴
共感をもっと感じて、共感をもっと活用する
TIPモデルは、援助者が「共感をもっと感じ、共感をもっと活用する」(Feel empathy more, use empathy better)ことを可能にするモデルです。
心理臨床の実践経験を土台に、感情や共感に関する学術的理論と、生理学的シンクロニーを用いた統計解析によって開発・体系化されました。
シンプルで再現性の高い方法論のため、心理支援の枠を超えてさまざまな分野での活用が期待されるアプローチです。

TIPモデルの理論

スリーステップ(3つのステップ)
TIPモデルは、持続性シンクロ(Tonic Synch)、介入(Intervention)、一過性シンクロ(Phasic Synch)というシンプルな3つのステップで構成されています。
このモデルでは、援助者が相手に意識的に注意を向け、身体的・感情的レベルでつながることを、3ステップという具体的な方法として推奨します。
こうした関わりを通して、援助者は相手に対する深い共感体験を得て、誠実に相手と関わることが可能となります。
TIPモデルのエビデンス
TIPモデルは新しいアプローチであり、現時点では十分な実証データはまだ蓄積されていません。これまでに行われた関連研究は2件あります。
- 臨床研究:共感・シンクロニー・治療効果の関連を検証(Suzuki, 2023)
- トレーニング研究:TIPモデルの研修と、その効果(共感能力の変化)を検証(現在レビュー中)
いずれの研究からも、TIPモデルを学ぶことで共感能力が向上する可能性が示唆されています。
今後は、TIPモデルの方法論がシンクロニーや共感の向上につながるか、また、TIPモデルを活用したカウンセリングが有効であるかを検証する研究が予定されています。





